■新入社員教育.comの「思い」と「志」

#102 新入社員研修 痛ましい事件報道から考えるべきこと。


痛ましい事件と一連の報道。
企業側における‘大問題’は?

あのような痛ましい事件は決して容認はできませんし、どこに最大の原因があったのかは定かではないという前提ですが、新入社員が自ら命を絶ったことと社内外研修の因果関係が認定されたという報道のなかで私が「問題」というか「大問題」と考えること。

語弊があるかもしれませんが、それは「火」があるから「煙」が立つのだということです。

 

ドットコム
火’のないところに‘煙’はたちません!

 

研修を運営するうえでも、日常業務に従事するなかでも私がよく口にする言葉です。

不正行為・ハラスメント行為・虚偽・歪曲・・。

さまざまな疑惑が起こることがありますが、真偽のほどはさておき、日常の姿勢や行動に「何か(火)」があるから「疑惑(煙)」が生じるのだということです。

「まさかあの人が・・」

「あの人にかぎって・・」

コトが起こるとよく言われますが、日常の行動にハラスメントの要素が皆無な人にそんな疑惑が出るわけがありません。

これを各種報道に出ている内容と照らし合わせると、この「何か」に該当するのは以下の部分です。

 

考えられる問題①

教育担当者
軍隊みたいなことを・・

 

◆おそらく「訓練」のことを言われていると思います。過去の記事のとおり、礼儀作法や技術の体得には必須の手法ですが、なぜそうした手法を使わざるを得ないのか、よく言われる「軍隊」「体育会」とのちがいを納得できるレベルで説明したのかという点は一考の余地があります。そもそも「軍隊」を知っている人は私を含めいないはずです。

◆暴力や暴言の類がないかの点検は必要です。

※過去の記事= #88 #89 #90 をご参照いただければと思います。

 

 

考えられる問題②

受講経験者
優しくない・・

 

受講経験者
きつい口調・終始命令口調

 

◆矛盾するかもしれませんが、これは完全アウトです。「顧客クレーム」等のシチュエーションを思い浮かべていただければ比較的イメージしやすいと思いますが、お客さまが「不快」「バカにされている」「誠意が感じられない」とおっしゃった時点で、もはや弁解の余地がないのと同じです。研修運営側はこうした印象をもたれぬよう、接しかた・言いかたには細心の注意を払わねばなりません。受講経験者?がこう言っている時点で「何か(火)」があるのです。

◆研修ですから、ときに厳しくせねばならないことは当然ありますが、優しさ理性的判断があっての厳しさでなくてはなりません。

◆言うまでもないことですが、「彼(彼女)のためを思って・・」「そんなつもりは・・」という理屈は一切通用しないことは常に認識しておくべきです。

 

考えられる問題③

運営会社
「バカヤロー」といった発言も多少は・・

 

◆容認するわけではありませんが、講師も人間である以上、瞬間的に湧き上がる感情は制御できません。こうしたお世辞にもよいとはいえない発言をしてしまった・・。そのあとにどのようなフォローをしたかは点検が必要です。

◆理性的ではなく、感情的に言っていなかったか、改めてもらいたいこと、言われる側に対する未来への願望がメインになっていたかどうかも点検が必要です。

◆とはいえ、こうした万人がよろしくないと捉える文言の使用は控えるのが「確実」であることはいうまでもありません。一企業における正式な教育機会においてこの文言は適しません。

※私もつい似たようなことを言ってしまうことがあったのですが、感情的になってしまった際は必ず「きちんとした謝罪」を行います。

※それでも回数・程度・重大性によっては「やらざるを得ない」こともあります。これは次回以降の記事でも関係する部分です。

※こうした文言が絶対NGということではなく、理性的判断のもとでのことであればその後のフォローをはじめとした、納得感を得るまでの過程を経ることができるということです。

 

考えられる問題④

報道
吃音に対して・・

 

報道
過去のいじめについて

 

◆吃音については、さまざまなことが言われていますが、それが出るシチュエーションやそれに対するコンプレックスの度合も人それぞれです。過去、重度の吃音の出る方を担当したことがありますが、とにもかくにも「傾聴」です。一生懸命発しようとしているところを遮ってはなりません。この方は「私たちの前では」ですが、治りました。「傾聴」「傾聴」を重ねた結果です。

◆こちらも過去の記事で触れていますが、いじめの程度やよくいわれる「トラウマ」などの「ココロの傷」の度合はそのご本人にしか分かりません。

◆上述の「バカヤロー」といった、ときに「人格否定」とも捉えられかねない強い言葉をかけるべきと判断するのは結構ですが、過去のイヤな経験や家庭環境等の領域に立ち入る場合は、双方の強固な信頼関係構築が不可欠です。

◆また、言われた当人のみならず、それを周囲がどう捉えたかについても留意せねばなりません。言われた当人以外の方がもっとイヤな思いをしていることも少なくありません。

決して推奨するわけではありませんが、

仕事に向き合う姿勢に難がある

礼儀作法が備わっていない

こうした新入社員はお客さまはもちろん、既存従業員にとっては悪影響を及ぼします。

一定の素養を身につけさせ、実務の場に送り出す。

知識や技術習得の足がかりをつくる。

その過程において難があるようでは当然厳しい指導もしなくてはならない・・。

振り返るべきはその指導の理由が、

好き嫌い等、担当者の主観・感情

懲罰・制裁・見せしめ的な意味合い

になかったか、

そして何よりもその指導がその新入社員の成長と企業の業績といった「未来の願望」のほうに比重がおかれているのかという部分。

報道に出ていることをもとにしたお話しをさせていただければ、「吃音」と「過去のいじめに対する認識」の矯正ご本人の成長と業績向上につながるとは到底思えないのです。

「吃音」があったって、そこに真剣さと熱意があればお客さまの心は動かせる。

流暢にしゃべれたって、そこに真剣さと熱意がなければ・・。

報道をもとにもうひとつお話しさせていただければ、「キツイ口調」も「命令口調」も「バカヤロー」という叱咤も「吃音」や「いじめ」に対しても大いに結構なのですが、2泊3日という短い時間のなかにおいてその真意を理解してもらうのは非常に難しいと思います。

私も1日通い型から2泊3日・3泊4日はもちろん、7泊8日までの研修の企画運営を経験したことがありますが、期間が短ければ短いほどこうした部分にはナーバスになります。

なぜならば、いったん離れたココロ、いったん落ちたモチベーションの修復はそうカンタンにはいきませんし、完全修復には時間と労力がかかるからです。

期間が長ければ長いほど、フォローの機会は多くなり、修復の確実性は高くなります。

礼儀作法の体現といった率先垂範行動・有言実行・傾聴といった手段を用いて地道に信頼関係を構築することが不可欠なのです。

結局は双方の信頼関係はどうであったのか・・というところにいきつくのではないでしょうか。


 

 

 

 

 

ドットコム
バカヤロー!辞めちまえ!

 

私も似たような言葉を発することがあると申し上げました。

下記も研修を運営するうえで私がよく口にする言葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドットコム
ときに‘危ない橋’も渡らねばならない!

 

業績に寄与することはもちろん、委託側のニーズにも応えねばならない・・。

これは研修運営側にとっては難しく悩ましいこと。

辞めたらどうしよう・・

パワハラと言われたら・・

気を遣うがあまり言うべきことも言えぬようではいけない。

いけないことはいけないとはっきり言わねばならない。

しかし、それは信頼関係の構築を常に意識し、言われる側である新入社員の顔色や反応を常に意識したうえでの理性的な判断があってこそなのです。

理性的な判断。

経験上ですが、怒鳴っても大丈夫な新入社員もいれば、怒鳴っては絶対ダメな新入社員もいます。

怒られたことのない人だっている。

そのあたりを見極めるために部活動の経験などの事前情報は参考のひとつとしては不可欠です。

プライドが高い新入社員とそうでない新入社員もいます。

人前での指導を極度に嫌がる新入社員もいます。

ですから常に一挙手一投足には注目します。

つい数日前まで‘アカの他人’同士であった講師と新入社員が2泊3日という非常に短い時間の中で、分かりあえていたのかどうかは非常に疑問です。

今年の新入社員は大丈夫ですか?

既存社員の方々は大丈夫ですか?

研修を担当される方はもちろん、部下を預かる方々にはぜひご点検いただきたいと思います。

 

痛ましい事件と一連の報道。
本来考えるべきこととは?

成果を挙げ、業績につなげる。

委託企業も受託企業も当然ここを目指す。

新入社員の成長を願う気持ちはみな同じ。

新入社員の自殺など誰も望まない。

新入社員の自殺など誰も予想していない。

新入社員の自殺など誰も想定していなかったのかもしれない。

社外講師による研修は4月の中旬で、その後は社内での研修が行われたとのことですが、入社後1ヶ月ほどという短い時間ででここまで状況を一変させてしまった「ボタンのかけちがい」は何だったのか・・。

研修を企画する

研修を運営する

その責任の重大性。

人が人を教育することのおこがましさ。

新入社員の自殺。

まさかこんなことになるとは。

あんなことを言わなければ。

時すでに遅し。

数日先は闇。人間のもろさ・・。

自分が親御さまの立場だったら許せるのか。

自分が周囲に対してやっていることは、自分の身内がされても容認できることなのか。

企業や講師が抱えるリスク・・。

「絶対」「大丈夫」などということはないということ。

常に「最悪」を想定しての言動・指導の必要性。

個を尊重する気持ち。

こうした報道をもとに感じ、振り返り、確認し、二度と同じことを起こさないために・・。

本来はここが考えられるべきなのにもかかわらず、

 

報道
軍隊みたいなことを・・

 

報道
バカヤローといった発言が・・

 

報道
ある種異様な・・

 

 

こんなことばかり。

こうした痛ましい事件報道を教訓とし、

 

私たち
我が社の社員は・・

 

私たち
教育体系は・・ 退職の理由は・・

 

私たち
日々仕事に向かう部下の目つき・顔色は・・

 

私たち
コミュニケーションは・・

 

こうしたことをこの報道をもとに考えなくてはならないのではないかと強く思うのです。

何度も申し上げますが、誰が悪かったのかは私には分かりません。

ですから、誰が悪いのかを論じるつもりもありません。

それは司法の判断に任せるしかありません。

部下・後輩・上司・家族・友人。

こうした方々に対しての自身の言動はどうなのか。

こうした方々の最近の様子はどうなのか。

異変はないか。

こうしたことを振り返り、改善するきっかけにするべきと思うのです。

何かあってからでは遅いのです。

次回記事からは再び「指導」に戻って参ります。

こちらも併せてご一読いただければ幸いです。

 

ドットコム
企業における新入社員教育の成功を通じて従業員の育成力向上と定着率アップを実現し、業績の向上を通じて社会に貢献する! 

新入社員教育.comでした。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

とある企業で約20年間にわたり、新入社員をはじめとしたさまざまな階層の方々を対象とした社内教育プログラムの企画立案および運営を担当させていただきました。最近では専門部署の立ち上げを行い実績を挙げた経験から、悩みを抱える若手社員の方々、世代の違いや離職率の上昇など、さまざまな困難に直面されている企業様や教育ご担当者様、そして就職に悩まれる学生の方々のお役に立てればとの思いで当ブログを開設致しました。どうぞ宜しくお願い致します。